三重に狩猟行脚①

三重に狩猟行脚①

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2020年の大晦日は、例年と変わらず犬を連れて山に入った。

一度だけ獣に当たり、カイが追い鳴きをして数分すると戻ってきたのがハイライト。

それ以外は特に何もなく年内最後の渉猟が終わった。

結局、年内は猟果に恵まれることなく、年を明けた。

2021年に年が変わり、そこから三重の山間地に訪れていた。

カイを譲ってもらった猟師さん(以下Sさん)がいるところ。単独単犬の猪猟や解体を学ぶためだ。

そこで撮りためた写真を編集して、ようやくこのブログを書き始めている。

狩猟行脚の様子を映像としてまとめたものも、編集が終わったら公開しようと思っているので、よかったら見てみてください。

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そういえば、少し話が脱線するが、とてもうれしいことがあった。

このブログを読んでくれている方から、「楽しみにしている」的な言葉をもらえたこと。

このブログ自体、認知度が上がるようなことは特にしていないので、
未だにグーグルアナリティクス(毎回噛みそうになる言葉だ。脳内再生でもたまに噛む)の数字は2桁~3桁を行ったり来たりしている。

発信すること、伝えることを主軸に据えてるブログとしてはやり方を間違えていると思う。

おそらくその内訳の2∼3割は友人や知人が片手間(例えばトイレで長めの用を足しているときとか、寝る直前の絶対にブルーライトに晒されるのは良くないと分かっているけどスマホ見ちゃうタイムとか)に読んでくれているのかな、と予想するのだけど、そういう人たちからたまに「読んでるよ」という言葉をもらえるとかなりテンションが上がる。

グーグルティクス(”アナリ”が噛む要素だと気づいたので省いた)の数字が上昇するよりも、数十倍うれしい。

「届く人だけに届けばいい」とは思っていなくて、むしろなるべく多くの人に読んでほしいと思っているけれど、なかなかそう上手くもいかず、そんな中でダイレクトなリアクションがあることが相当なモチベーションになることに2021年年明け早々気がついた。

この場でお礼を言わせてください。ありがとうございます。

ついでに言っておくと、褒められて伸びるタイプなので褒めてほしいです。
内容に関する非難や批判は華麗にスルーします。

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長野の山間部から、愛知の都市部、そして東名の湾岸沿いに出るルートは景色が様変わりしておもしろい。

高速道路を走らせていてもあまり飽きない。

生粋の内陸県民だからか、海が見えるとやはりテンションが上がる。

ただ海沿いの高速は横風がとても強くて、軽だとハンドルが取られそうになるほど揺さぶられるのでこわい。

岐阜から2時間半ほどで三重県に入った。

「今日は組猟(グループ猟のこと)でここにいるので直接きてくれ」と指定を受けた場所を目指す。

松阪市で高速を下り、下道で南伊勢方面へ向かう。だいぶ田舎だ。海の田舎という雰囲気が漂っている。

松阪ICを下りて少し行ったところの道沿いにあったお店が大繁盛している。

正月からすごい人だった。焼肉のお店。

松阪だからやっぱりみんな松阪牛食べるのかな?と思いきや、とり焼きのお店である。

松阪市民は牛ではなく、鶏をよく食べる。

”焼きとり”ではなく”とり焼き”。

網の上で鶏肉を焼くのだ。串に刺さっていないやつ。

ぼくも前に食べたけど、とてもおいしい。

若鶏と、ひね鶏もあって、ひね鶏の歯ごたえと味が特においしい。

内瀬という、湾になった場所に車を停めて、午前中の組猟が終わるのを待つ。

猟師さんたちはまだ山の中だ。カイの様子を見る。クンクン鳴いているが、車酔いはしていないようだ。

早く出たそうである。

しばらく写真を撮ったり、景色を眺めたりしていると、猟師さんから連絡が来て、待ち合わせをすることになった。

「来るとき、ヤマザキパンあったやろ?そこにおるわ」

ヤマザキパン。あったっけ。

よく分からないまま道を戻っていくと、左手側にヤマザキパンがあった。
ヤマザキパンというか、ヤマザキパンを売っている地方のザ・商店だ。

猟師さんの軽トラが駐車場に止まっていて、挨拶を交わす。

「おひさしぶり。おめでとさん。ついてきてくれ」

ついていくと、そこには広い空き地と小屋があって、午前中の組猟を終えた地元の猟師さんたちが暖をとっていた。みなさん、70歳は超えていそうな感じだ。

午前中は犬が獣に当たって何かしら追ったらしいが、猟果はなかったそう。

午後からは別の山をやるらしく、Sさんにとともに勢子をやることになった。

犬はカイの単独。

勢子って巻き狩りの指揮役で猟果を大きく左右する存在だと思っていたから、そんな簡単にやらせてもらえるものなんだと意外だった。おまけに、カイもまだ成果をあげていないペーペー。

Sさんは「大丈夫や」の一言。

場所が変われば、いろいろが違うものなんだな。

段々になったみかん畑がある山をやるらしい。

稜線沿いに獣侵入防止のフェンスが縦に続いていて、その北側が猟場、南側は広大なみかん畑。

北側の山腹を西から東に横歩きしながら、東端に張ったマチ(タツマのこと。三重ではそう呼ぶらしい)に向かって犬と歩く。

途中、いくつも猪の寝屋があり、各所の寝屋を当たりながら終着を目指す、ということだった。

勢子をやる、ということから、猪を狙った山の歩き方まで、初めてのことだらけだ。

Sさんから山の状況の指示を受けつつ、渉猟する。

山の地形、植林地か雑木林か、どこに何があるか、日の当たり方、今歩いている山の状況がSさんの頭の中にはありありと見えているようで驚く。

このときには一緒ではなく、Sさんと離れて歩いていたので、今の周囲の状況を伝えて、その情報のみでそれが山のどのあたりなのかをSさんは把握していることになる。

「風強くなったで稜線に上がるで」

下から吹いてくる風が強くなれば、風に乗ってきたニオイを猟犬が最もキャッチしやすくなるのは、遮るものが少なくなる稜線であるから、その判断をしているそうだ。

山の歩き方ひとつをとっても、ぼくはまだまだだ。

寝屋をいくつも回ったものの、猪の気配はなく、新しいアタリ(糞などのフィールドサイン)もなかった。

残念ながら、今日の猟はこれで終わりだ。

2時間程山を歩いた。日が暮れ始めると三重もさむい。

組猟を追えて、Sさんの自宅に戻る道中、皆伐が行われ、山肌を掘削され、土と砂だけの大きな丘になった山があった。

ここに何ができるのだろうか。マンションか、デパートか、ただの採掘場か。
あるいは新しい道を通すための整地なのかもしれない。

ぼくも人間だから、自分を棚に上げて(間違いなく自然を破壊することで享受できる便利さや豊かさを自分自身も受け取っている)、人間の自然に対するそういう行為に何事かの異を唱える気はさらさらない。

むしろ、現場で日が暮れるまで働いているおっちゃんたちに「ごくろうさまっす」とつぶやくタイプ。

この日の三重に向かう車中で聞いていたとあるラジオで、CO2排出量ゼロの自然エネルギー100%のみの供給をしている「ハチドリ電力」という電力会社のことを話していた。

たまたま目にしたハゲ山で、ふと、そのハチドリ電力のことが色濃く思い出される。

自分で意図したわけでもなく、偶発的な連関で巻き起こる出来事や、感情や思考が動く瞬間がぼくは好きだ。

これがきっかけでハチドリ電力をググったら、かなりおもしろい取り組みで、なおかつ自然エネルギーだから電気料金が高くなるかと言えば、そんなこともなかったので、昨日ハチドリ電力に契約を変えた。

今や、電力も自分で選べる時代なんですね。

興味ある人はググってみてください。

狩猟の話を書いていたら、電力の話になってしまった。

つづく