猟犬たちの性格の違いを観察すると

猟犬たちの性格の違いを観察すると

2020年8月19日
狩りのこと。

先日までの長雨などなかったかのように、打って変わって連日の日照りと猛暑。

さすがにこの暑さでは、雑草の生長もストップしているようだ。

犬たちもしんどそうな顔をしている。

ここ最近は、仕事を終えると、犬二匹を連れて山に行き、林道を散歩する、というのが日課になってきた。

日が長いこの時期限定のことになるが、仕事終わりでも山を歩けることはとても嬉しい。

仕事を終え、自宅でさくっと着替えをして、ケージに犬を乗せ(カイはケージに入るのを嫌がるのでここで時間を要する)、山に向かえば30分は歩くことができる。

林道沿いにちらほら土砂が雪崩れてきた形跡があって、つい最近まで復旧作業を行っていたようだ。

砂利を含んだ粘土質の土砂が雪崩れていた

公道沿いの土砂崩落も交通をストップさせてしまうから厄介だが、例えばここの地域だと林業が盛んであるから、一般の人には関係のない山中でもそれなりの支障がでてしまう。

マチの中でも、山の中でも、こういった状況に迅速に復旧対応してくださっている土建業者の方々には頭が下がる思いだ。

長梅雨の間、規模の大きな土砂崩落があったとき、

土建業者に「早く復旧作業をしろ」というようなクレームが多々あったそうだが…

それが仕事であるから仕方ない部分はあるにしろ、自分だったらとてもそんなことは言えない。

顔が思い浮かぶ人たちがその先にいるから猶更、ということもあるだろうか。

ひとしきり走り回って戻ってきたリク

林道の散歩においても、リクとカイの2頭を同時には散歩しないことにしている。

1頭ずつケージから出して、散歩する。散歩と言ってもノーリードで、一緒に歩く、という感じ。

なぜ、2頭一緒ではないかと言うと、それぞれの行動範囲がまったく違うから。

性格の違いがあるから、といってもいいかもしれない。

これが例えば、多頭引きの猟をやるのだったら彼らの中で群が形成されてある種の連携も出来上がってくるから、それでよいのかもしれない。

ただ、単犬引きでの猟をやりたいので、あくまで主人ー猟犬の①対①の関係性を構築することに注力している。

その意味でも、リクとカイの間で群が形成されないように、”あえて”している。

度々の付け加えになってしまうが、「これが正解かは分からない」のだけど。

まず初めにリクをケージから放す。

リクは何度も山に入っている経験がある。そして、性格的に良くも悪くも怖いもの知らずで直情型。お馬鹿さんなところが多方面で見られる。

最終的には必ず戻ってくるけど、気になるものがあったらどんどん離れて行ってしまう。はたしてこれが、これまでの躾で変わっていたのかどうか、そうでない方がよかったのか、今となっては何とも言いようがないけども、根底にはリクの性質があるのだと思っている。

単犬での猪猟をやろうと思うと、リクのタイプは難しいかな、と考えている。

鹿を対象にして、リクが追って回ってきた鹿を仕留める…というやり方であればあるいは可能かもしれないが。

リクが気の済むまで山の中を駆け回り、戻ってきたら次はカイの番。

「まだ?」という顔を向けてくる

カイの性格、行動範囲はリクと真逆である。

性格は、神経質。そしてかなり賢しい。何に対しても好奇心を示すあたりにはまだ幼さを感じるが、
学習速度が速い印象を強く受ける。

例えば、冒頭にも書いたけどカイはケージに入るのを嫌がる。だから山歩きの帰り際、車に近づいていくとケージに乗せられることを悟ってこちらに寄って来なくなる。

車の近くで呼んでも絶対に寄ってこない。普段なら必ず足元まで来るが…

このときにリードで繋がれることも察知していて、繋がれると乗せられるからリードを持つだけでも警戒し始める。

だから、帰り際はあえて呼ばずに来るまで待つ。来たら褒めながら、さりげなく首輪を握ってさっとリードを繋ぐ。

ケージに乗せるときだけはやはり苦心する。最終的には半ば強引な感じになってしまうのがいかがなものかと悩んでもいる。

こんな感じで、慎重さと賢さがベースにある学習能力の高さを随所で発揮する。

単犬で猪猟をやるのであれば、とてもいい傾向なのではないかと感じている。

立ち姿も凛々しくなってきた

林道を歩いても、自分の周囲10∼20mの範囲がカイの行動圏内で、基本的に姿が見える位置取りを彼自身で意図的にやっている。

見えなくなると、呼ばずとも戻ってくるから驚く。

歩いていて、こちらの足音が止まるだけでも、先を行くカイは必ず立ち止まってこちらの様子を確認する。

リクもカイも性格が全く違う。犬種が違うから、というよりは個の差であると思っている。

であるとすると、猟犬の性格によって、適する狩猟のスタイルは違ってくるわけだし、引いては接し方や育て方も違ってくるのが自然なのでは、と考えるようになった。

実際、過日の猟師Kさんのお話の中でも、一般的には駄犬とされる性格や性質を持つ犬たちが立派に猪猟を成立させていた。

何にしてもまずは、”観察”から始まる。