梅と梅雨の片隅にて

梅と梅雨の片隅にて

食べること。

梅雨とはよく言ったもので、連日の雨が降りしきる中、梅の収穫がもう最盛期を終えようとしている。

その片隅で、梅雨という同時期に実る野の果実を紹介したい。

桑の実に続いて、グミの実を収穫した。

“グミ”といっても、お菓子のグミのような果実ということではなくて、
そういうわけで、特段、甘くもない。

漢字で表記すると、「茱萸」と書くらしい。見たことない字である。

どちらかというと、酸っぱくて、タンニン成分由来の渋みもあるから、
敬遠される部類だと思う。

先日収穫した桑の実のほうが、よっぽど美味しい。

それでも採ってきたのは、小学生だったときのグミの実の記憶があったから。

休み時間になると、学校の近くにある小さな山にいき、友達と秘密基地をつくって遊んでいた。

あるとき、山の中で、いかにも甘そうな、赤い熟れた実がなっている木を発見して、
なんだか宝物を探し当てたような気分になって嬉しくなった。

そのとき、きっと口にはしたんだろうけど、味がどうだったかは忘れてしまっていた。

けれども、時が経って、グミの実の存在なんて記憶の遥か彼方に飛んでいったはずなのに、
ふと犬の散歩中に見つけたこの赤い実を見て、そんな淡い記憶がぐぐぐっと呼び起こされた。

懐かしい気分になって、

そのときの記憶を辿るように、当時小学生だったときの自分を回顧するように、ひとつもぎ取って口に入れた。

「酸っぱい。渋い。こんな味だったっけ。」

数十年ぶりのグミの実はそんな感じ。

あなた、昔の記憶の中とはだいぶ印象変わったよ。

グミの実は、さくらんぼを縦に少し引き伸ばしたような楕円形で、熟すと鮮やかな赤色になる。

色と形だけとれば、さくらんぼさながらほっぺたが落ちそうな甘みを持っていそうなのだけど。

今回は桑の実同様(と言いつつ、桑の実は収量が少なくてジャムにしたが)グミの実を氷砂糖と漬け込んで、グミの実のシロップをつくってみることにした。

採ってきたグミの実を水洗いしてごみを落とし、表面の水分が乾くまで放っておく。

余分な水分がついていると、保存中に腐る原因になってしまう。

もう一つ老婆心で言っておくと、保存ビンの、煮沸消毒もしくはアルコール消毒をしっかりやっておくべき。

長期の保存に関しては、ここを怠ると悲しい結末を迎えることになるので。

乾いたら、グミの実と同量の氷砂糖を、

グミの実→氷砂糖→グミの実→…と交互に重ねていく。

そうすると上の写真のような状態になって、このまま10日間ほど漬け込んでおく。

日に1~2回天地返しをしておく。

ネットで調べてみたら、いくつかレシピはヒットしたが、一体どんな味にあるやら。

酸味はいいとして、渋みは消えてくれるのか。