狩猟の”これから”について考える②

狩猟の”これから”について考える②

2020年2月10日
考えること。

前回記事で書いたような狩猟の未来では二極化の動きが出てくるのではないかと考えています。

その二極とは、
”有害鳥獣駆除捕獲に特化していく動き”と、”純粋に狩猟という営みを求める動き”です。

この二者でいくと、前者が圧倒的大多数になっていくでしょう。

現在でも、狩猟界全体で有害鳥獣駆除に対する動きは年々色を濃くしています。
猟友会という組織自体が有害猟銃駆除隊として認識されているのではないでしょうか。

そもそも狩猟者13万5千人が所属する大日本連合猟友会の基本理念の中にも「有害鳥獣駆除による野生動物の個体数調整」という項目があるので、その流れは全く間違いではない。

一方で猟友会の”狩猟者の相互扶助組織”としての側面は薄まっている気がしています。

「有害駆除をやらないならなぜ狩猟やっているの?」

というような言外の圧を感じることがあります。

二極化の動きが猟友会という組織内で抱えきれなくなったとき、
組織自体の分裂も十分考えられます。

この先、狩猟者の人口が大幅に減少するときが来るはずだ、ということを書きました。

それに対応する形で、”新規狩猟者確保”、”現役狩猟者数の維持”を目的として、
有害鳥獣駆除隊に対する優遇措置が取られるでしょう(報償金の吊り上げ、狩猟税減免など)。

また有害鳥獣駆除を軸に、捕獲された野生動物を地域資源として活用するシステムやビジネスモデルも確立されていくはずです。
その中で、獣害対策や有害駆除を担う人材の育成カリキュラムやマニュアルも整備されていくでしょう。

この一連の動きによって、狩猟者数は一時的に増加することは間違いないと思います。

その一方で、ドローン・AIを導入した有害鳥獣の捕獲の研究が進み、それが安定的な成果を上げるようになったとき、どうなるか。

今まで有害鳥獣駆除捕獲員への報償金や減免などの優遇措置に充てていた分と、AI・ドローン技術導入に対してこれから充てる分、比較したときに費用対効果が望めるのはどちらでしょうか?

その結果、AI・ドローン技術導入と機械化に対しての予算割り充てが採決された場合、
有害鳥獣駆除を軸として狩猟をしていた人口のどれだけが残るでしょうか?


「有害鳥獣をいかに効率良く捕獲し、管理するか」という”方法論”だけが先行する。

分業化が進み、捕獲→解体→生産→流通という物質的な成果だけにフォーカスした狩猟を「大きな狩猟」と位置づけています。

自分がやりたい狩猟。

それは「小さな狩猟」です。

「大きな狩猟」とはあえて逆へ、逆へといきたい。

自分や周囲の人たちの生活に必要な分だけの糧を得るための狩猟。

狩猟を通じて感じること・学べることに(体験知や経験知)重きを置いた狩猟。

”命をいただく”というプロセスにフォーカスした狩猟。

”生きるとは何か”を自らに問い続ける。
そんな正解のない問いの答えを探し続けるような、
哲学的な狩猟をしていたいのです。

小さな狩猟者がゆるやかに増え、
その1人1人が暮らす地域の野生動物との住み分けや共生が実現されるような未来が来たらいいなと、そんなふうに考えています。

日々狩りブログをやっている意味や、全国の猟師さんを訪ねて旅をする理由もそこにあるのです。

狩猟にも様々なスタイルがある、という話を以前に書きました。
狩猟のスタイルが違えば、向き合い方も全く違う。
猟師さんの人生観がそこに注ぎ込まれていたりする。
そこにはその人だけの狩猟精神が宿っています。
これから先、失われてしまうかもしれない狩猟という営みの精神に触れ続け、
そして自らも狩猟に身を投じ、自分なりの狩猟精神を築き上げていきます。