とある一日

とある一日

2020年1月26日
雑談

前日から降り出した雪は翌朝になっても降り続けていました。

この日は猟友会支部全体での巻き狩り共猟でしたが、悪天候の影響もあり途中で中止となりました。

積雪の影響か、もしくは獣がいなかったのか、

いつものような猟犬たちの鳴き声を聞くことはできませんでした。

雪が降り積もった白銀の世界は、自分の鼓動が聞こえてくるほどの無音。

雪が周囲の音を吸収してしまうからです。

そのせいもあってか、タツマに入り勢子役である先輩からの指示や猟犬の鳴きをじっと待っている間に様々な思考が巡ります。

「自分はどんな狩猟がしたいのか?」

「進むその先にどんな未来を思い描くのか?」

この日はそんなことを悶々と考えていました。

次々と溢れるように現れてはすっと消えていくそれらの思考と、

獲物がいつ来てもいいように気を引き締めろ、という思考が、

入れ替わり立ち代わり自分の中で主導権を奪い合う。

集中しているような、集中していないような。

雪は美しいけれど、人の五感と心とを惑わす。

鴨撃ちへ

下山して解散となったのちに、単独で鴨撃ちへと向かいました。

散弾銃を空気銃に持ち替えて。

今猟期空気銃は初めて握りました。エアアームスのS510。

目星を付けていたポイントに到着。
車を降りて水辺へ近づくと、早速気付かれて飛ばれてしまいました。

近づき方が不用心過ぎたか。

物陰で姿を潜めて待っていると、飛んで行った川の下流方向から泳いで戻ってくる群れ。

スコープを覗いてみる。

「ダメだ…。」

その群れはカワアイサという非狩猟鳥獣でした。

その群れは断念して、次のポイントへと変えます。

もう少し上流の溜まりになっているところへ。

「いた。」

それはコガモの群れでした。

距離は60メートル程だったと思います。もう少し縮めたい。

身を出来る限り小さく屈めて、ゆっくり、ゆっくりと近づきます。

40メートル程まで近づいたところで、
物陰から体が出ないように慎重に体勢を整え、銃を構え、コガモの雌一羽に照準を定める。

呼吸に合わせてスコープのレティクルも上下する。

スローな動きで水面を回遊するコガモですが、なかなか思うように定められません。

浅瀬で止まった瞬間を狙い、引き金をゆっくりと引きました。

パシュッっという音と共に発射された弾は狙ったコガモの頭の横を掠めたようでした。

外した直後、コガモの群れは一斉に飛び立ってしまいます。

心が浮足立っていたようで、撃ち方にも出てしまった気がします。

「獲れなくても仕方がないか。」

そんなことをぼんやりと思いながら帰路につきました。

春先に向けて備える

ずっとやれずにいましたが、秋頃まで罠猟で使用していたくくり罠の修理を行いました。

くくり罠仕掛け部の先には写真のような“くくり金具”という部品を取り付けています。

この部品があることによって、括った獣の足が抜けづらくなります。

ただこのくくり金具、獣が罠に掛かって逃れようと暴れたりすると割と高確率でひしゃげます。

それは決してくくり金具の耐久性がないという話ではなく、獣の力が尋常ではないという証拠ですね。

ひしゃげてしまうとこんな具合になってしまいます。金具のくの字になっていた部分が伸びきっています。

この状態だとワイヤーがスムーズに戻らず、空弾きの原因になります。

このくくり金具を新しいものに取り替える作業をしていました。

他の罠のバネの具合も確認しつつ、点検完了。

こういう細々した作業って怠りがちですが、一番大事です。