狩猟の解体で使用している刃物4本

狩猟の解体で使用している刃物4本

2019年8月8日
狩りのこと。

狩猟で獲った獣の肉を得ようとするときに欠かせないものと言えば?

真っ先に思い浮かべるのは「ナイフ」ではないでしょうか?

今日は私が獣の解体時に使用している刃物4本をご紹介します。

基本的にはこの4本があれば、
お肉までの解体は可能です。

ですので「最低限この4本は揃えておくとベター」という基準になるかと思います。

それでは早速どうぞ。

GERBERガットフックナイフ

フォールディングナイフのため折りたたむことが可能

ガットフックと蛇腹状の刃が特徴的

これ一本でかなり多機能で優秀。

基本的には獣の腹抜き(内臓を抜くこと)に使っています。

まずはこのナイフの刃先部分。
この部分でお腹の鳩尾あたりの皮に切れ目を入れます。

少しの切れ目を入れたら、
そこにガットフックを引っ掛けて胸骨の方向にビーっと皮を裂きます。

このガットフックがあるおかげで、
内臓を少しも傷つけることなく皮だけ裂けるので非常に便利。
ナイフの刃先が胃に当たって内容物が出てしまうと、
お肉にも臭いが付いてしまいますし、衛生的にも良くありません。

次に刃根本の蛇腹部分で胸骨の中心をゴリゴリと裂いていきます。
そうすると、食道の先端付近まで開けるようになるので内臓を綺麗に取り出すことができます。

このガットフック1本で、3つの機能があり、
腹抜きをスムーズに、かつ綺麗にこなすことができます。

あと腹抜き用のナイフとして使っている理由はもう一つあって、
衛生的な面から、
「内臓摘出用のナイフはお肉を捌く用と分けたい」
ということもあります。

シルキーポケットボーイ万能目

こちらも折りたたみ式
折りたたんだ状態。名前通りポケットに収まる大きさです。

見ての通り鋸ですね。ですが折りたためば手のひらサイズのコンパクトサイズ。
これは股割のときに使用します。

前述の腹抜きの最後の工程に「股割り」作業があります。

食道から引っ張ってきた内臓は最後に直腸で肛門につながっています。

直腸を取り出すには、股関節の丈夫な骨を割らないといけないのです。

そのときにこいつで股関節の中心部を切るわけです。

斧でパカンと股関節を割る人を見たことがありますが、

個人的にはそのまま直腸も傷つけてしまいそうで心配なので、

無難な鋸で股割りをしています。

あと股割用の鋸も狩猟系のショップでは扱っていますが、

値段もそれなりにするので私はこちらをオススメします。

刃は割とすぐにダメになってしまうので、
刃こぼれしてきたら交換しましょう。

皮剥ぎ包丁

独特なフォルム
刃先に行くにつれカーブしています

獣の皮を剥ぐときにはこの包丁を使います。

刃が独特なフォルムをしていて、この形が皮を剥ぐときに役立ちます。

手首をのスナップを使うように刃先を皮と肉の間で滑らせるように当てていきます。すると非常にスムーズに皮が剥がれていきます。

包丁ですが両刃なので洋包丁の部類に入るのでしょうか?

両刃でおかげで、刃の両面どちらが上になっても対応できます。
そこがありがたいですね。

ひとつ難点を挙げるとすれば、
「砥ぎがなかなかうまくいかない」ということでしょうか。
独特な刃の形状をしているので、均一に砥ぐということが難しいです。
なので、私は刃先のストロークする一部分だけに刃を念入りにつけています。

毎回その部分だけで皮を剥いでいる、という感じです。

解体包丁 骨スキ角

大きすぎず扱いやすいサイズ感
いわゆるフルタング
頑丈なつくりです
砥ぎで刃はすぐつくイメージ

皮を剥いた状態からの作業は基本的にこの骨スキ包丁を使っています。

大きすぎないサイズで、丈夫な構造。扱いやすいです。
これは岐阜県関市(刃物で有名な町)で購入しました。
値段は5,000円程度で高すぎることもありません。

やはり日本人として包丁に慣れているからか、
個人的には解体のときはナイフよりも解体包丁の方がしっくりきます。

切れ味は抜群なので、解体もサクサク進みます。
ただナイフほど刃厚はなく、骨をがつがつ当たるような扱い方をするとすぐに刃がなくなってくるので、2~3回の解体に一度は研いでいます。

このあたりは和包丁の性ですね。

ベースになる刃物

今回紹介した4本はあくまでも解体に必要なベースの刃物。

「最低限これらがあれば解体はスムーズに行える」
というもの。

人それぞれ解体のやり方やこだわりは違いますし、
ましてや解体の対象(鹿なのか猪なのかなど)によっても使用する道具はかなり変わってきますので、そこは解体の経験を積み重ねながらベストマッチの道具を推敲していくものです。

「より効率良く解体を行える道具や環境はどんなものか?」
を想像しながら昇華させていく、という過程もなかなか楽しいものですよ。