秋も深まるこの時期は、
アケビやドングリ、柿や栗などの実りの時期でもあります。
獣たちも冬に備えるために、この時期に秋の実りを少しでも多く食べようと動きます。
自宅近くにある何本かの栗の木から落ちた実りを食べるためか、
山から下りてきている濃い獣道があったので罠を仕掛けたところ、4日ほどで捕獲することができました。
幕開けから失敗が続いていた罠猟でしたが、
ここにきてイノシシ→シカと狙った場所で短期的に捕獲できています。
これも失敗があったからこそだなぁと実感しています。
掛かっていたのは大きな雄鹿
朝見回りにいくと、そこには大きな雄鹿が掛かっていました。
狙った獣道が伸びてくる山中から、夜中に鹿の鳴き声が聞こえていて、
声色や獣道の擦れ具合から、
「雌鹿か小鹿かなぁ?」
と思っていたのでまさかこんな大きな雄鹿が掛かるとは思わず驚きました。
まだまだ見切れていない証拠です。見切りって難しい。
この雄鹿、罠に掛かった後かなり暴れたのか、左前脚にかかったワイヤーが両後脚にも絡まって身動きできない状態で横たわっていました。
まだ息はありましたが、かなり衰弱していて蠅がたかってきているような状態。
前日の見回りも怠ってしまっていたのでその日に掛かっていてたのかもしれません。前回もこれで失敗したばかりなのに…改善できていないですね。
剣鉈で血抜きをして、罠から外しました。
罠に掛かるタイミング
罠猟の難しいところは、「獲るタイミングを選べない」ということ。
技術を極めればタイミングも狙えるようになるのかもしれませんが、
それでも「いつ掛かるかは神のみぞ知る」という領域は払拭できません。
「獣が掛かったタイミング」と「発見するタイミング」のラグをゼロにすることは限りなく不可能に近いです。
※最近知りましたが「コール罠猟」というやり方もあるようです。このやり方だと獣が掛かるタイミングと発見のタイミングは同時ですね。
一方で、銃猟の場合は獣を発見するタイミングと仕留めるタイミング(罠猟で言うところの掛かるタイミング)は一緒。
今目の前にいる獣は何者で、雄なのか雌なのか、大きさはどれくらいなのか、という情報を把握したうえで仕留めることができます。
どちらが良いとか悪いという話ではなく、
事実として両者にはそういう性質がある、という話です。
そうなったときに、自分が目指す獣の獲り方に適するのはどちらだろうかと考えると、やっぱり銃猟かな、と思います。
なるべく獣にストレスを与えず、損傷のない状態で獲りたい。
美味しいお肉を得るために。
もちろんこれも銃猟に関する知識や技術が高められていることが前提ですが。
捌いたときに罠に括られた脚やその周囲がひどく内出血を起こし、うっ血している状態を見ると、自分の技術力のなさを嘆くとともに、罠猟ではこれは避けては通れないのかなと暗澹たる気持ちになることがよくあります。
あとは感覚の話ですが、
罠猟で獲った獣のお肉より、鉄砲で獣の肉体の損傷を少なく(ヘッドショットやネックショットで卒倒させる)した状態の獣のお肉の方が美味しいと思います。
コール猟で獲った鹿は本当に美味しい。
こちらに気付かれず、ほぼノンストレスで仕留めているからでしょう。
そんな狩猟のスタイルを築きあげていくのか、はこの先も探し続けるテーマなんでしょうね。