今回はポイントの新規開拓も含め、
より多くのエリアを回ってきました。
結論から言いますと、
最後のポイントで呼び寄せに成功はしたのですが、結果は失敗に終わりました。
かなり悔しかったのと、その失敗から学んだことがあるので書いていきます。
鳴き返し
今回は合計で6つのポイントを回りました。
そのうち4つのポイントで鳴き返し(こちらのコールに反応して牡鹿の鳴き声が返ってくること)がありましたが、その鳴き声の主が現れることはありませんでした。
経験上、鳴き返しがあった場合にそこから鳴き声の主を呼び寄せたことがまだありません。
「鳴き返しがあればそこからその牡を寄せられる」という話は聞くのですが、
「本当かな?」というのが正直なところです。
コール猟が成功したときは、鳴き返しも何もなく現れているので。
むしろ鳴き返しがあるときって、毎回少し遠いところで鳴いている印象があって、「あ、これはかなり粘らないと来なさそうだな」と考えてしまいます。
そのため、一つのポイントにつき15分、長くても30分。
それ以上粘ることはなく、次のポイントへと移ってしまうので、遠くで鳴き返しをしてくる牡鹿を呼び寄せるまでその場に留まることはないです。
それよりは鳴き返しがあっただいたいの方向を把握しておいて、
そちらに移動して距離を近づけていく方法をとっています。
そうすることによって、新たなポイント(ヌタ場や踊り場など)を開拓しやすくなる気がします。
実は今回もその方法で呼び寄せに成功したのと、鹿の発情期にそのポイントを縄張りにしている、という確信が得られました。
待ち伏せの位置取り
5カ所目のポイントでコールすると、遠くで鳴き返しがありました。
今いる位置よりも標高の高い方ところ、南の方角から聞こえてきます。
その位置で30分ほど粘ってみましたが、近づいてくる様子もなく、
鳴き返しもなくなってしまったので距離を詰めてみることにしました。
車で林道を移動し、鳴き返しが聞こえてきた方角の次のポイントに到着しました。そこにはヌタ場があって、昨年同じポイントでチャレンジしたのですが、鳴き返しがあったものの結局呼び寄せることはできずに終わりました。
成果がなかったそのポイントでトライ。
このポイントではまだ感触を掴んですらいないので、
現れるとしたらどこからなのか、ドキドキでした。
そして…
なんとコールして10分ほどで現れました。
しかも待ち伏せしていた自分の真後ろ4~5mのところに。
斜め後ろの方向から駆け抜けてくる足音が聞こえるな、と思った直後でした。
猛々しく躍り出てきたその牡鹿は見事に私の背後をとりました。
横目でその牡鹿を捉えると、
立派な三又の角を携えた大きな牡鹿でした。
鳴き返しをしていたのはこいつだったのだろうか?
そんなことを考えながら、鼓動はバクバクと高鳴っています。
この間、3秒ほど。
相手はまだ私の存在には気が付いておらず、
ライバルの牡鹿がいるものと思って周囲に目をやり探しています。
ここからどうしようか?
相手の顔が木の幹に隠れた瞬間を狙ってすぐさま振り向き、
引き金を引くしかない。
背後に大きな気配を感じながら、
横目で捉えることができる範囲で相手の動向をうかがい、
チャンスを待ちます。
この間、7秒ほど。
牡鹿が…
木の幹に…
隠れた…!!!
片膝をついた姿勢で、肩を動かした、と同時に逃げられました。
撃つ余裕はまったくありませんでいた。相手の動きがすさまじく速かった。
「なんで悟られたんだ?」
ただただその疑問が頭の中で反芻する。
あの体格からしてきっと脂ものっていただろう。
コール猟で出会った中では一番大きな牡鹿でした。
位置取りの悪さといい、瀬戸際での間の悪さといい、挙銃の下手さといい、完敗した感覚です。
コール猟において、
鹿がどこから現れる可能性が高そうなのか、を思考・シュミレーションしておくことの重要性。
地形や、足跡などのフィールドサインを注意深く観察し、
それらの情報の集積を練り上げておくこと。
ただ縄張りに入って鹿笛を吹けばいいわけではないことを学びました。